《画家の娘 マティス嬢の肖像》 アンリ・マティス

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国立新美術館大原美術館の絵がやってくることを知るなり、マティス嬢の絵も来るのかしら、きっと来るわよね!(ハアハア)と、一人でザワザワしながら、再会を待ち焦がれていた。

よれた白目も、つぼめた口元も、帽子の影とハイライトも、少しエラの張った輪郭も、ああ、すべてがいとおしい。
児島虎次郎がこの絵をどうしても欲しかった気持ち、大切な絵を虎次郎に託したマティス嬢の気持ち、ああ、うつくしい。

2016年3月、国立新美術館(「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」)にて鑑賞。


(2011年 レビュー)
無国籍の、と例えるとこのご令嬢には失礼極まりないけれども、西洋とも東洋ともつかない、どこかにいそうな、どこにもいなさそうな顔立ち。さらりと簡素に描かれているようだけれど、なんだろうこの強い印象。雰囲気があって、大好きな絵。マティスってこんな絵も描くんだなあ、しかも自分の娘を描くなんてね、自慢の娘だったのかな、きっと心を込めて描いたんだろうなあ、なんて勝手に親心を察しながら見ていた。

毛皮の襟巻のようなものがラグジュアリーだし、帽子に添えられた花のコサージュ?もアクセントになってて、お洒落。

それにしても、この顔の向き、マティスって左利きなのかな?とふと思ったりした。

これは2度目の大原鑑賞で目にとまった絵。今度訪れた時は、どんな絵に心惹かれるのだろう。