《ベローナ》レンブラント・ファン・レイン


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レンブラントの人物画、好き。

よくファッション雑誌の見出しで"こなれカジュアル"という表現が用いられるけれど、その言葉をちょいと拝借させていただくと、レンブラントの人物画はいわば"こなれフォーマル"なのである。
この安定感よ。

そしてレンブラントが描く女性ってだいたい似たような顔してるよな、と思ったらそれもそのはず、モデルはおなじみの妻サスキア。
何なんでしょうね、この親近感と包容力は。何なんでしょうね、この顔、どこかで会った気がするのは。

ベローナとは、ローマ神話に登場する戦いの女神。
この親しみやすい顔立ちからは闘争心がまるで感じられないけれど、そこが無敵フラグ。どう見てもこの人、絶対無敵。
いつの時代もカミさんは強し、なのでしょうか。レンブラントさんよ。


2016年2月「フェルメールレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展」@森アーツセンターギャラリーにて鑑賞。
この国でフェルメールはもはや客寄せパンダになっているということに些か辟易しながらも、やっぱり見に行ってしまい、そしてやっぱり群がってしまうのが群衆心理。
フェルメールの絵がVIP待遇で奉られ、パネルや映像で超絶丁寧に解説されているのに対して、両A面であるはずのこの絵があまりにも凡庸な扱いだったので、なおのこと私はこの絵を支持したいと思ったのでした。